よく、生徒さんに、家でヨガをしたいけどどんなポーズ(アーサナ)をしていいかわからない、とか、ポーズがありすぎてどのポーズを練習したらいいかわからない、などの声を聞きます。
確かに。
基本的なポーズだけでも100前後はありますからね。。
沢山あるポーズですが、体幹のポジションという面からみると、おおまかに4種類に分けられます。
・前屈系(体感の屈曲と股関節の屈曲)
・後屈系(体幹の進展)
・側屈系(体幹の側屈)
・ねじり系(体幹の回旋)
それぞれの特徴。
・前屈系
ジャーヌ・シルシャーサナ
骨盤から背骨を前へ倒していって頭を下げていくポーズ。
前屈が深まるにつれて、腰椎周辺が伸びて下半身の血行が良くなります。むくみや疲労の軽減にもおすすめ。脳が鎮められ、感覚機能がリラックスしていきます。
鎮静のエネルギー。
副交感神経UP。寝る前やリラックスしたいときにおすすめ。
・後屈系
プールヴォッターナ・アーサナ
背骨を後ろへ反らせて胸を開いていき、身体の前面を広げていきます。
交感神経を刺激するので、身体が活性化していきます。気持ちを晴れ晴れさせたい!、テンションを上げたい!ときにおすすめ。
覚醒のエネルギー。
(後屈系は身体に対する負荷も大きいので、いきなりやらないこと。ねじりで肩・背中をほぐしてからやりましょう。そして腰で反らない事。腰を痛めます)
・側屈系
背骨を左右に曲げて体側を伸ばします。
左右均等にやることで身体の左右差を少なくして、歪みを解消していきます。
特にデスクワークでは体側は縮みやすく、肩こりや呼吸の浅さにつながりやすいので、まめに気持ちよ~く伸ばしてあげるのもおすすめです。体側の伸びは気持ちもすっきり!としていきます。
体側伸ばしは下のほうが分かりやすい&やりやすいかな。
ヨガジャーナルから拝借。ちょっと画像が荒いですが、、。
・ねじり系
アルダ・マツィエンドラーサナ
背骨を回旋させることで骨盤周辺や腹部内臓が絞られ、血行が良くなり内臓の機能が高められます。
肩回り・背中のこわばりもほぐしてくれるので、呼吸も深まりやすくなります。
背骨に沿って走っている自律神経の調整にもいいとされています。
ヨガのポーズはこちらのサイトがジャンル別に検索できて、便利です。
ストレスが多かったり、身体をあまり動かさない生活を送っていると、肩甲骨周りやみぞおちのあたりが硬くなる→横隔膜の動きも悪くなる→呼吸が浅くなる→自律神経のバランスが崩れる、といったパターンになりやすいので、背骨を動かして、体幹の動き(内側も)を良くしてあげることはとてもいい事です。
ヨガと自律神経に関しては前回の記事を参考にしてください。
まずは、その時の自分の状態に合わせてポーズをひとつチョイスするのもいいですが、それぞれの種類からひとつずつピックアップしてやってみるのもいいですね。背骨をいろんな方向に動かすことで呼吸も深まりやすくなり、内臓にも良い刺激がいき、自律神経も調整されます。(順番としては、側屈→ツイスト→後屈→前屈&ツイスト がおすすめです)
座ってまたは横たわってやるポーズほどポーズの強度が低く、あまり頑張らずに身体を動かしたいときにいいです。例えば 同じツイストでも立って行うツイストポーズ(下の写真)は強度があがります。足腰を鍛えたい、全身をアクティブに使って身体を動かしたいときにおすすめです。ただし、強度の高いものをいきなりやると怪我をしやすいので、強度の低いものから順々にやっていくか、軽く身体を動かして身体をほぐしてからやりましょう。
まとめると、、、
背骨の動きに焦点を当てた場合、ヨガのアーサナはおおまかに4種類にわけられる。
・前屈系(体感の屈曲と股関節の屈曲)
・後屈系(体幹の進展)
・側屈系(体幹の側屈)
・ねじり系(体幹の回旋)
それぞれの中でもアーサナの数はたくさんあるが、座位・仰向け・うつ伏せ(床と身体の接地面が多い)でやるアーサナは強度が低いものが多く、立位(床との接地面が少ない)のアーサナほど強度が高くなるものが多い。強度で選ぶのもよし。
*ただし、いきなり強度の強いものをやると怪我をしやすいので注意。
4種類まんべんなくやる場合は、側屈→ツイスト→後屈→前屈&ツイスト の順番がおすすめ。 ※後屈の後はチャイルドポーズのような背骨を丸めるポーズでリカバリーします。ツイストもリカバリーになります。
仕上げのシャバアーサナは忘れずに!
ヨガの経験が長くなってくると、アーサナをとっているときの身体のエネルギーの感覚というのが身についてきますので、あまり考えなくても、あ、あのアーサナやりたいな、と身体が欲するようになってきたりもします。
自分の身体の状態を観る力、そして身体の状態に合わせて自分で自分の身体を調整していく力を養って、ご自分の身体と仲良くしていきましょう。