呼吸と身体とエトセトラ

ことこと家ヨガスタジオ(涌谷/富谷)

脳の緊張を緩める

昔、高齢者の方の運動指導をしていた友達から聞いた話があります。

身体を側屈(立った状態で上半身を真横に倒していく)する運動を指導するときに、ただ「身体を右側に倒していきましょう」と伝えるのと、(右の手のひらを上にして身体の横に出した状態で)「手のひらの上に水がたまっていってどんどん重たくなって、その重みで身体が右側にどんどんどんどん倒れていきます」と伝えるのでは、後者の伝え方の方がより深く側屈していくんだよ、という話を聞いたことがあります。

 

その話を聞いたのは昔ダンスをしていた時で、その友達もダンス仲間でした。

ダンスではよくイメージをもとにして動いていく稽古をしてました。例えばわかりやすいイメージでいえば、「飛ばされそうなほど強い向かい風の中を歩いていく」というイメージ。もちろん普通に歩くのとは違う歩き方、フォルム、身体の使い方になっていきます。他にも、「歩くたびに膝から水が飛び出す」とか「樹齢三千年の梅の木になる。そして花びらとなって散っていく」などなど、 よくわからない、現実ではありえないようなイメージなんかもあったり(でも現実離れしたイメージほど、身体の質感や動きは日常生活ではないようなものになっていくのでおもしろかったりします)。

 

先日、こちらのブログでもご紹介した、私が東京にいた頃通っていた綿本ヨーガスタジオの綿本先生はイメージでの誘導も多く、踊りの感覚に近いヨガのセッションといった感じのクラスでした(私個人の感想ですが)。例えば「背筋を伸ばす」を「嬉しい知らせが届いた時の背骨」と表現します。「背筋を伸ばす」だとどこかに緊張が走ったり、きちんと伸ばさなきゃといった硬い感じが伴いますが、「嬉しい知らせが届いた時の背骨」ですと、自然とお腹に力が入って嬉しい気持ちと共にすっと背骨が上昇していく感覚で背筋が伸びていく(ぜひその違いを試してみてください)。身体の内側からアーサナが作られていくような感覚が私はとても好きでした。

 

イメージは脳で作られ、そしてそのイメージに身体が反応していく。ただ身体が物理的に動くだけではなく、内分泌(ホルモンの放出)や自律神経も脳で作られたイメージに反応して働いていきます。

 

 だから頭の中で何を考えているか、イメージしているのかはとても大切。

 

否定的な思考やネガティヴなイメージが頭の中を占領していると眉間あたりに力が入って硬くなっていく感覚があります。なんだか脳が緊張している感じです。逆に肯定的な思考、ポジティヴなイメージがあるときには、眉間は緩み、広がり、脳が柔らかくなっていくような感じがします。

 

脳の緊張は身体にも緊張を生み出し、脳がゆるゆる~と緩んでいるときは身体もほっと緩みます。

 

身体がこわばっていると、気持ちにも余裕がなくなってきます。

 

最近すごく思うのが、瞑想は脳をゆるゆると緩めるエクササイズでもあるんだな~ということです。(アーサナは身体にアプローチして脳を緩めていくエクササイズともいえる)

 

瞑想は自分の思考が対象になっていきます。自分の頭の中で繰り広げられるとりとめのない思考や妄想に気が付いて、手放していく。時には否定的な思考ばからりが頭の中を巡っていることもまります。でもそれに気が付いたら手放していく。気が付いたら手放す。これを繰り返していく事で脳の緊張が少しずつ取れてきて、頭と身体が緩んでくる。その状態に慣れてくると、今度は脳が緊張するとすぐに、「あ、今緊張している」と気が付いていくようになります。で、気が付いたらまた手放す。

 

だから、頭の中をゆるゆると。

 

脳を緊張させな~~い。

 

そんなことを最近思いながら過ごしています。

 

https://www.instagram.com/p/BPwNG32huo1/

脳がゆるむ抱っこクッキー♡

 

ヨガに来てくださっている方で、ご自分で焼いた大豆粉使用のパンやお菓子を持ってきてくれるんです。大豆粉のものは味も優しくて糖質も少なく身体に良いんだそう。

Nちゃん、いつもありがとう!