皆さん、Tarzanという雑誌ご存じです? 身体を鍛えるトレーニングメソッドを紹介する雑誌(私の中でのイメージ)なんですが、今出ている号は「呼吸と姿勢」をテーマに身体にアプローチしている内容になっています。前の号は「”休む”の科学」ということで疲れをためない休息法がテーマでした。どちらもヨガとも関係が深く、普段はTarazan買わないですが、この2冊は買いました。(スタジオに置いてありますのでご自由にご覧くださいね)
今号の「呼吸と姿勢」では、
・正しく吐いて、体幹を整える
・弾む呼吸で、運動能力を高める
・長く吐いて、ココロを制御する
と、三方向からのアプローチ。呼吸が身体に及ぼす影響は幅広い。
クラスでも呼吸と姿勢に関しては、折に触れてお伝えしています。
ヨガにおいてアーサナ(ポーズ)をとって身体をいろんな形に動かすのは何のためにするの? もちろんいろいろな答えがあるかと思うのですが、私が大切だなと考えるのは、呼吸をしやすい身体にするためというものです。呼吸の質を良くするために身体を動かして筋肉を伸ばしたり縮めたりしながら身体を整えていく。余分なこわばりをほどいたり、使えていない筋肉に動いてね♡と刺激を送って、骨格をよりニュートラルな状態に近づけていく。背骨の位置が丸まりすぎず、反りすぎず、ニュートラルな状態にあるとき、呼吸は深まりやすく、また内臓の位置はあるべきポジションに収まりその機能が高まるといいます。いろいろな形をとるなかで、ニュートラルなポジションとか感覚が自然と身についていく。
身体の形につられて心も調整されていきます。
前屈のポーズは心が静まる(副交感神経を活性)、とか胸をがっと開いて反るポーズは気分が高揚する(交感神経を活性)とか。
落ち込んでいても空を見上げると少し気分が明るくなるとか、それです。
心の調整も呼吸に深く関わってきます。
その人の息づかいでその人の心の状態がわかることもありますね。
柔軟性や筋力がつく、自律神経のバランスが整う、身体への意識が高まる、体調が良くなる、といった現れは呼吸をしやすい身体を作る過程でうまれる副産物といっても過言ではない、、、のかな?
ヨガは最終的には瞑想が待っております。瞑想で深い集中状態にたどり着くには、呼吸がキーとなる。深い、落ち着いた呼吸は集中状態を生みやすい。そのために身体からアプローチするのがアーサナ。呼吸が落ち着くことで心も穏やかになる。その逆もしかり。その相乗効果でどんどん集中状態が深まっていく。
普段の生活で人は一分間に20回弱呼吸をしています。
でも頭の中が静まって心も静まって集中状態になると呼吸が落ち着いて、一分間に1回~3回まで呼吸数が落ちます。でも苦しくない。
集中状態にも段階があるらしく、浅い集中状態から深い集中状態まで区別されています。未体験ゾーンです。
昔、中国武術を習っていた時に聞いた話ですが、達人の域にまでいくともはや呼吸をしているのかしていないのか分からないくらい呼吸が深まっているという話を聞いたことがあります。鼻の前にティッシュをぶら下げていても、そのティッシュは動かないとか。。 まぁ、噂話の類に入るのかなとは思いますが(そもそも達人って何?)、これはこれで面白い。
何はともあれ呼吸はおもしろい。
夕空があまりにも美しく、しばし見とれておりました。
呼吸が深まりしばし瞑想状態。