先日ブログでお知らせした映画、「聖なる呼吸」観てきました。
ヨガ初心者の映画監督のガレさんがヨガのルーツを訪ねてインドを訪れ、ヨガの有名な師のもとを訪ねたり、その教えを受け継ぐご子息のもとを訪れて歩くというドキュメンタリー映画です。映画の中に出てくる3人の師たちはどなたも今は亡くなってこの世にはおられませんが、撮影当時にはまだ存命の方もいらして、ある意味貴重なフィルムとなっています。
ヨガのルーツは紀元前となっています。その当時のヨガは今のようにたくさんのポーズをとるものではなく、瞑想を主にするものだったそうです。その後2~3世紀の頃に「ヨーガスートラ」というヨーガの思想を記してある経典がパタンジャリという方によって編纂され、17世紀頃に今の様にいろんなポーズをとっていくハタ・ヨーガ派の経典である「ハタ・ヨーガ・プラディーピカー」が書かれました。
映画の中に出てくる3人に師のうちの一人、映画の中では近代ヨガの父と言われているT・クリシュナマチャリアさん。この方は、当時ごく一部の僧侶達のみが行っていたヨーガの行法を書物や当時のヨーガの実践者たちから学び、体系化し直し、そして一般の人や女性にもヨガを広めた方。そしてそのお弟子さん達の中の二人が、これまたヨガ界では有名なk・パタビジョイスさんとB・K・Sアイアンガーさん。ほんとにこの3人の師のお蔭で、今日私たちは日本でこのヨガの恩恵にあずかれているのだということを、映画を観てしみじみ感じました。
そう、この映画ではT・クリシュナマチャリアさんまで遡ってルーツを訪ね歩いておられたので、ヨガのルーツというよりかは近代ヨガのルーツということになるのかなと思います。私にとってはクリシュナマチャリアさんでさえ存在がとても遠いので、さらにそのルーツとなるとほんとに気が遠くなります。。 よくこの近代まで伝わってきたなぁ、、と口を開けて感心するほかありません。
個人的には映画でヨガ初心者の映画監督が、パタビジョイスさんやアイアンガーさんに指導してもらっているのがうらやましかったです。お二人の指導のしかたも独特でした。
最後、監督のガレさんがアーサナ(ポーズ)をとって、呼吸法をしているシーンがありました。黙々とご自分の身体と一体となって行うアーサナは美しく、とても静かな時間が流れていました。
「深く呼吸することで心が静まるのです。」(というナレーション)
深い呼吸の音が響き、その音はまるで波の音の様にも聞こえ、とても心地が良い。
呼吸は身体のリズム。
どんなに科学や技術が進歩しても人間の身体の仕組みはずっと変わっていない。
誕生と共に息を吐き、呼吸と共に生き、死と共に息を引き取る。
そしてそんな変わらない人間の仕組みと共に、”呼吸がね、とても大切なんだよ”と遥か昔から変わらずに教え続けてくれるヨガの教え。
とてもシンプルで明快。
呼吸、息、生きる。
どんな呼吸をしているのかによって、人生は変わってくる。
呼吸の質が人生の質を決めると言っていた先生もいたな。。
その時は、そんなもんかなぁ?ぐらいにしか思っていなかったけど、今なら少しは分かるような気がする(ほんの少しだけど)。
なんだかとりとめがありませんが、聖なる呼吸、おもしろかったです。