呼吸と身体とエトセトラ

ことこと家ヨガスタジオ(涌谷/富谷)

日常に寄り添うバガヴァッド・ギーター(11/14)

月に一回、ことこと家ヨガスタジオではプレーマ・ヨギーニー先生にバガヴァッド・ギーターをお話して頂いています。

前回の内容はこちら ↓

kotoyoga.hatenadiary.jp

 

私たちを取り巻く三つの物質自然の性質、サットヴァ(徳性-清らか・幸福といった純粋な質)、ラジャス(激性-欲望・競争心といった活発な質)、タマス(無知性-怠惰・混乱といった鈍質)。


「ラジャス(激性)から何がしかの対象を楽しみたいという欲望が起こり、それはやがて怒りに変わる。それこそ真に恐ろしく、すべてを飲み干してしまう。この欲望こそこの世の大敵である」(BG 3章37節) ※BG=バガヴァッド・ギーター
ではその欲望をコントロールするにはどうすればいいのか?

これが欲しい、こうなって欲しい、という欲望が起こる(この欲望は自分が満たされたい、自分の感覚を満たしたいという物質的欲望)、そしてそれが満たされないとイライラしたり、「なんで!?」と怒りの感情が湧いてくる。大抵、人との揉め事とか喧嘩って、この怒りが原因じゃないですか? 怒りが強いと最終的には破壊という結果しか残らない。人間関係の破壊、物の破壊...。まさにタマス(混乱・狂気)の状態。そう、ラジャス(激性)の欲望がタマスという結果を導く。サットヴァ(幸福感)は微塵も無い...。
いったいこの状況の悪化を招く欲望は私たちのどこに潜んでいるのか? 

 

そもそも。
私たちの本質は魂であり(真の自我)、その魂は「私が、私は」といった「私意識」のエゴ(偽の自我)に覆われているとギーターでは伝えています。
エゴが強い人は、私が満足したい、これは私のものだ、私が、私がと私ファーストとなる。(もちろん多かれ少なかれ皆エゴはありますね)

私たちの身体やエゴなど、この世界に現象として現れている物質的なものは全て3つのグナの影響を受けます。(エゴや心も目には見えないけど幽かな身体として物質にジャンル分けされます)

が、魂は精神的なものであり、物質とは別次元。魂の本来の性質はサット・チット・アーナンダ(永遠で知識(意識)に満ち、至福である)といった超純粋な質。
他の生命の喜び、相手の喜びをまず第一に思い、見返りを求めない純粋な愛。
この超純粋な質は3つのグナの影響は受けないとギーターでは伝えられています。
だから、エゴという覆い(これをヨガでは汚れと呼んでいます)を取り払って、私たち誰もが持っている本来の姿、魂の視点(精神的な視点)、超純粋な質を取り戻していけばグナの影響を受けることもなく、私が満たされたいと言う欲望も自然に消えて、心が平安になりますよと。

そのためには、ギーターでは心が何に繋がっているかが大切だと教えてくれています。 私たちは目に映るもの、耳に入るもの、香り、舌で味わうもの、肌に触れるもの、それら五感の対象になっているものからの影響をダイレクトに受けます。 例えばテレビやネットの広告で自分の大好きなスイーツの映像を見る。何回も目に入る。広告の音楽も脳にインプットされる。そうするとそれが食べたくて仕方なくなる。スイーツの映像と音が頭にチラついて離れない。絶対に食べたくなる。もはや執着。
そしてそれが食べられれば満足するけど、もっと欲しくなったり、それが無いと不安を感じたりするようになる(依存)。それを食べることができないと、満たされない思いが不満に、怒りに変わっていく。そう自分の感覚を満たすことを感覚満足と呼びます。感覚満足は私が満たされたいというエゴを強化していく。そして欲がある限り心に平安が訪れることはない。

なので、心の方向性を超純粋な、物質を超えた精神的なものに繋げましょうねと伝えてくれています。
そうすれば心が自然と整っていき、精神的な知識・知性が育まれていく。
自分が満足するための知識ではなく、相手が喜ぶ知識(相手の弱いところを受け入れて癒すことができる)が精神的な知識。
自分を満たすために行動するのではなく、他者の幸せのために行動することこそが喜びであり、見返りを求めない純粋な愛ですよと。

 

「感覚は物質(感覚の対象)より優れ、心は感覚より勝り、知性は心より勝り、魂は知性より優れている」(BG 3章42節)


「勇者アルジュナよ、このように魂は、五感と心と知性を超えていることを知り、精神的知性で心を制御し、欲望という恐るべき大敵を征服せよ」(BG 3章43節)
アルジュナはギーターの登場人物です。この辺りは追々…。

 

まとめ。

本来の私たちの性質は魂の質である超純粋な質。サット・チット・アーナンダ(永遠で知識(意識)に満ち、至福である)。
が、私ファーストのエゴという汚れで覆われているために、三つのグナ(サットヴァ・ラジャス・タマス)に縛られ、感覚器官(眼耳鼻舌皮膚)の物質対象への愛着とそれが得られない時の嫌悪に振り回されている。そしてそれらが苦しみや不安をもたらす原因である。なので心を超純粋な魂の質(精神性)に繋げれば、エゴという汚れが少しずつ取れて、苦しみや不安が無くなり、心に平安が訪れますよと。

では精神的な質とは具体的には何なのか。
微小な魂と大きな魂など、魂についての詳細、日々の生活をどのように過ごしていけば、より純粋な状態に近づけるのか、がギーターでは語られています。

 

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オンラインは東京や秋田からのご参加も🙏

 

次回の日常に寄り添うバガヴァッド・ギーターは、改めてご案内いたします。

 

謹賀新年 2021/1/1

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新年明けましておめでとうございます。

皆様の健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

本年もよどうぞろしくお願いいたします。

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今年のお正月はどこへも行かず、家に篭るのに適した天候。

冬籠り。

と思いきや、雪も少しあがったので初詣に。

雪の山神社を参拝するのは初めてで、やはり冬には冬の美しさがありますね。

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昨年は新型コロナウィルスの感染拡大で、アメリカや欧州でのロックダウン、国内でも非常事態宣言など、経験したことのない事態が起こりました(今もなお続いておりますが...)。 一時期はどうなることかと思いましたが、初のオンラインレッスン(ヨガもそうですが、お子さんの学校のオンライン授業なども)、初の試みを沢山経験した年になったかと思われます。

まだまだ気を抜けない状況ではありますが、必要な事を粛々とやり続けながら、心は楽しく生活して行きたいと思います。

 

さっきまで、インドのブリンダーヴァンという吉兆な土地にある、ムンゲル寺院のサドゥマハラージのオンラインのクラスに参加していました。
その中から心に響いた言葉をシェアさせて頂きます。

”イマジネーションがリアライゼーションとなる。もし今苦しみがあるのなら、それは今抱いているイマジネーションがもたらしている。その古いイマジネーションを捨てて、新しいイマジネーションを生み出すことがポジティヴということ。古いイマジネーションを捨てられないのがネガティヴ。だからどんどん新しいイマジネーションを創り出して。”

といった内容でした。

頭の中で何を想像するかは自由!

自由なのに、ついつい古いイマジネーションに引っ張られて自ら不自由になっているのでは? ということにはっとさせられました。

自ら足枷をかけている。

 

2021年、どんなリアライゼーションを望むのか。

 

この一年、想像力たくましく生きていきたいものです。

 

【ロルフィング10】セッション8&9

ことこと家ヨガスタジオでは月に一回、山形からRolfinghouse festaのロルファー、大友さんに来ていただいて、ロルフィングのセッションを行ってもらっています。
既に9回が終了し、残り1セッション。

ロルフィングの詳細はこちら。

www.rolfing-festa.com

 

8〜10は統合のセッションでレシピがないと言います。1~7はそのセッション毎のテーマのレシピがありますが、8~10はないそうです。その時に、必要と思われるところにアプローチをして全体を統合していくと。

 これまでロルフィングを受けてきた感覚だと、ロルフィングは身体だけではなく、身体よりももうひとつ繊細なレベルのエネルギーの身体?にも働きかける、とても繊細なワークでもあると。
なので、全体の統合と聞くと、身体の全体の統合はもちろん、エネルギーレベルとの統合も(むしろそっちがメイン?)というくらいに、スピリチュアル要素強なセッションになるであろうとワクワクしていたのですが、なんとこの8,9セッションにきてやたらと即物的な、めっちゃ痛いセッションになりました。

 

ここしばらくずーっと右膝の内側が痛くて。あぐらになると痛くて、蓮華座ができなくなっていました。歩くのとかは支障なく。一度、どこかの、脚部に触れるセッションの時にアプローチしてもらって、その時は良くなったのですが、また痛くなって。

ヨガをやっていると痛いところがない、というふうに思われがちなのですが、あります。痛くなるというのは身体のアライメント(配置)が良くない状態でアーサナをとっていると、そこに負荷がかかり痛みとして現れます。そういう時は自分の身体の使い方をよくよく観察します。で、これかなーと思い当たる節を改善すれば、その痛みはなくなったりします。

なので、この膝の痛みも使い方が間違ってると思い、お世話になっているヨガの先生に聞いてアドバイス頂いたりして、気をつけていたのですが、でもやっぱり痛みがとれなくて。

前回、セッション8の時に膝を主にやってもらって、その時は大分良くなったのだけど、やっぱり使い方が良くないので練習するたびに痛くなり。正しいアライメントでの使い方は頭にはあるのですが、そのように筋肉が働いてくれない、思うように思うところに力が入らなくてミスアライメントになってしまう...という悪循環。

ということでセッション9もほぼ膝に集中。大体大友さんのロルフィングはほぼ触れているだけのソフトタッチが多いのですが、膝とそこに繋がる腿、臀筋、大腰筋、腸などの膜にじわーーっと圧をかけられ、めっちゃ痛い。でもグイグイ押したりせず、ゆっくりじんわりと、そしてどんどん深層部に入っていくと痛みが和らいで緩んでいくのがわかる。

もう最近は正座ができないくらいに痛かったのですが、なんとか正座ができるまでに。
助かりました....。

やはり、ミスアライメントの状態で筋肉がセットアップされているので、まずは緩めてもらい、ラインを整え、そして新たに正しいアライメントで使って筋肉を再教育していくというプロセスが必要のようでした。
大友さんは以前、整形外科勤務、そしてプロアスレティック選手の専属トレーナーの経験もある方なので、リハビリ的な身体の使い方も教えて頂き、命拾いした感じです(大袈裟)。

最後の方は、いつものソフトタッチのセッションに戻り、穏やかな時間に。
そして最後、「お。通った。」という通った感があり(もうこれは通った感としか表現できない)、その瞬間に視野が少し明るくなり(目は閉じていますが)、そして呼吸が今までにない感じで広がって(深まるのとはちょっと違う感覚)、より意識がクリアになった感がありました。こういうのとても興味深いです。

 

現在、セッションを受けている人は私含め6人。

次回、皆、10セッション終了です。

皆のロルフィングを受けての変化や感想のシェア会的なものをやる予定です。
ご興味ある方もご参加頂けるようにする予定です。

日時は改めてご案内いたします。

 

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からだの専門家、大友さん。