呼吸と身体とエトセトラ

ことこと家ヨガスタジオ(涌谷/富谷)

ヨガとはなんぞや?

ヨガの語源はサンスクリット語の「ユジュ」。意味は「繋ぐ」。ヨガは体、心、魂を大いなるもの(神、宇宙)に結びつけることの行法として遠い昔のインドで発生したと言われています。

ヨガにはたくさんの経典がありますが、その中でもヨガの入門書的な位置付けであり、一般的に知られているのが2,000年以上前に編纂された『ヨーガ・スートラ』です。 そのヨーガ・スートラ第1章に
「ヨーガとは、心の働き(作用)を制御することである」
とまず最初に一文で端的に説明されています。
そう、ヨーガとは単に身体を動かすだけではなく、心の働きの制御という目的があります。


心の働きの制御とはいったいどういうことでしょうか?


ここでちょっと体験してみましょう。
床でも椅子でもなんでもいいので、安全な場所で軽く背筋を伸ばして、目をつむります。そして呼吸に意識を向けて、ご自分の鼻先から息が出たり、入ったりするその息の流れを見守ります。そのまま呼吸に集中していきます。5分くらい続けてみます。


するとどうでしょう?


5分間ずっと呼吸に集中できた! という人はいましたか?


多分、多くの方が、最初は呼吸に集中しているけど、気がつくと何か違うことを考えていて呼吸の事を忘れていた、という方が多いのではないかなと思います。
(もし5分間ずっと呼吸に集中し続けていた、という方がいらっしゃったら、それはとても素晴らしい事です!)


最初は呼吸に集中できていても、気がつくと、さっき会った友達の事を考えていたり、今夜の夕飯の事を考えていたり、好きな人・嫌いな人の事を思っていたり、、と意識が呼吸から離れてしまっていて、そしてまた改めて「呼吸、呼吸」と呼吸に意識を戻してもまた気がつくと違うことを考えていた、、、、の繰り返し。


そう、私たちは心(意識)をたった5分間、1つの対象にとどめておくことすら難しい事に気がつきます。


私たちは1日に実にたくさん、たーくさんの思考をしていると言われています。でもそのほとんどが、雑念や心配事、願望(我欲もありすね)、妄想、といった頭の中をぐるぐると駆け巡る、制御できていない思考と言われています。


心配事も心配が過ぎれば自律神経の働きや、体調に影響を及ぼしますし、内側で起こっている感情が激しいものであれば、それも身体に影響を及ぼします。もしかしたら自分の事を傷つけるような考えを知らずに持っているかもしれません。願望も我欲が勝れば結果として苦しみを生み出すものとなっていきます。

そしてヨガでは身体を動かしてアーサナ(ポーズ)をとっていきます。アーサナには身体を整える役割があり、呼吸と共に身体を整え、体内の巡りを活性化させていきます。そうすることで呼吸が自然と深まり、呼吸が落ち着いたものになることで頭の中の思考が自然と静まり、いらない思考にあまり振り回されなくなります。ご自身の内側がどんどんクリアになっていく。

アーサナで身体からアプローチして、同時にヨガの教えで心の働きをコントロールする視点を養っていくのです。

心を本当に必要なもの、本当に大切なもののために使えるように練習していくことが、ヨガの練習なのです。

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ヨガの練習が深まっていくと、何気ない日常が味わい深いものになっていく。。